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まきのセレクト前夜 病気になってから編

病気になったことで体の痛みとの生活になった。


痛みの無い日はなかった。


自分の気持ち、環境はある程度、自分でコントロールできるけど、

他の人の影響はコントロールできないことが多く、

痛みがくる怖さと、痛みに耐えてまで生きることがほんとに辛かった。


今思えば、自分のことしか考える余裕が無かったので、

スタッフさんも気を使ったと思う。


ただ仕事が半日勤務になったことは、かなり大きかった。


9時~13時までの4時間勤務。


家に帰って14時くらい。


入社してすぐ、なんで働く時間を会社が決めるんだろう。

自分の働く時間は自分で決めたいな。とも思っていたけど、

この勤務は精神的にかなり楽になった。


1人の時間ができて、落ち着ける時間が増えた。


そのうち心にも余裕ができて、家事をすることも増えた。


スタッフさんに対しても、前のように接することができるようになる。


少しずつ、少しずつストレスが減っていく。


娘の保育園に迎えに行くことも増え、

子どもたちが無邪気に遊んでいる姿を見て、自分が無くした喜怒哀楽がそこにあった。


俺はどこで感情を落としてしまったのだろう。


娘が俺に気づくまで、子どもたちを見ているのが楽しかった。


見つかるといろんな子どもが集まってきて、

いろいろ話かけられたり、体に飛びついてきたり。


娘との帰り道も、娘の歩くスピード、目線に合わせてゆっくり帰る。


俺が見向きもしないことにも興味を持つ。


素直な感情。


たくさんのことに気づいたし、思い出させてくれた。


この辺りから、家族との時間が一気に増える。


ただ体の痛みは相変わらずだった。


自律神経がストレスでおかしくなって、

体温調節する汗腺が開いたり、閉じたりがうまくできなくなったようだ。


一度閉じた汗腺が、体が温まると本来なら開き、汗が出る。


俺の場合は温まっても汗腺が開かず、熱がこもってしまう。

その異常が痛みとして出ていたのかな。


温度変化がなるべくないようにしていたけど、

冬は外が寒いのに、室内は温かい。


その温度差でも痛みが出るからお店に入る時は上着を脱いだり、気をつけた。


唯一夏だけはずっと熱いので、開いた汗腺が開きっぱなしで痛みが出なかった。


梅雨明けから9月の中旬ごろまでは痛みが出ないけど、

9月下旬、朝少し涼しいな。と思うその日、すぐ痛みが出る。


毎年8月はもう病気治ったんじゃないかと思うけど、

涼しくなって痛みが出て、またこれから1年痛みの生活かと思うと、

もう分かるかな。


生きていくのがほんと辛くなる。


あとは病気と言っても、症状を見たことない人には、

ほんとに病気なの?って思われてもおかしくなかった。


だから職場で早く帰れるんだけど、

お先に失礼します。と言って帰ることにも罪悪感のようなものを感じて、

実は帰る時、その言葉を言う度に痛みが出ていた。


精神的なストレスってほんと怖いな。と思うよ。


普段はそれを体が処理してくれているんだろうね。


仕事は自分なりにはできることはやっていたつもり。


で、そのうち病気になった自分だから会社にできることがあるんじゃないか。


ドラッグストアは健康や美容というテーマもある。


自分が病気になって得た知識で買っている商品。

これをドラッグストアで販売すれば、会社にとってもプラスになるんじゃないかな。

と思った。


半日勤務で。と言ってくれた上司も自然栽培のことを知っていて、

仕事の打ち合わせの後、そんな話をしていたので、

うちのドラッグで自然食売るのどうですかね?と相談したのかな。


ある日、社長にプレゼンするんだけど、バイヤーでもないし、

何言ってんの?と言われないかドキドキしたけど、思い切って言ってみた。


結局4品採用してもらって、ある店舗では自然栽培の野菜も販売できた。


これけっこう画期的なことだったと思うけど、野菜はもう販売していない。


他の4品はそこそこ売れてるんじゃないかな。


こめ油とかも良かったと思うし。


あともう1点は、自然食品店って高すぎるんだよ。

ほんとここ、どうにかならないかな。って今でも思う。


自分で店やってるから分かるよ。


全体で見れば自然食に興味がある人も多い訳ではないから、

販売数が多い訳でもないし、食品は利益率が低い、ネットでも買えるしさ。


少ない販売数でも利益出すために、価格を下げないのはしょうがないかもしれない。


でもそれが結局、自然食品が売れない理由でもあるんじゃないかな。


で、ドラッグやれば全体の商品から見れば、自然食で利益出さなくてもいい。

ドラッグ基準で価格を設定しても、自然食品店より絶対安くなる。


そうすれば一般の人も買いやすくなる。

そうすれば販売数が増え、作る人の売り上げも上がる。


今まで自然食品店で買っていた人がドラッグで自然食が買えて、

他の物を買ってもらって利益を出せばいい。


そんな仕組み作れないかな。

そんなドラッグが次の時代に必要なんじゃないか。って本気で思っていた。


だからもっと社長に話をして商品数増やしたかったんだけど、

バイヤーからクレームが入ったんだよね。


勝手に社長に話して商品入れられるとカテゴリーのバランスが崩れると。


例えばオリーブオイルって種類が多いけど、

薄利多売で売る特価商品、少し高いけどメーカーから条件が出ている商品とか、

それぞれの商品のバランスがあるんだけど、

いきなり社長指示で商品入れなきゃいけなくなるのは困る。と。


あぁ、そんなものか。と思ったし、

その気持ちも、自然食のアイテム増やす理由も無い。ってことが分かった。


なんかそこまでしてドラッグでやる必要は無いか。と。


最初に社長に話した時は、この1年はやれることをやろう。

やりきろう。と思って、いろいろ自分なりにやったけど、

そのバイヤーの話が出て、ドラッグでこれ以上やるのは無理だと。


自然栽培の野菜も販売はできたんだけど、実はいろいろあったし。


俺のための会社じゃないし、社長もそこまで乗り気でもなかったってのもある。


そうすると自分でやるしかないのか。

やってみたいな。と思った。


それがまきのセレクト。


だから、本当はドラッグストアでやりたかったことをやってるだけ。

自分が認められたいとか、そんな気持ちじゃない。


これからの時代に絶対必要になるし、

それをたくさんの人が来るドラッグである程度お値打ちにやれる。


そこに価値があると思ったんだけどね。


正直、自然食品店の価格設定じゃ、興味のある人以外買わないんじゃないかな。


原価知ってから、多店舗展開してる自然食品店でさえこれかよ。って。


無理に安く売る必要はないけど、

メーカーもある程度、大量生産できる体制が整っている商品は、

ある程度買いやすい価格で売るべきだと思う。


で、やっぱり品質の良い商品はいいんだ。

安いのはやっぱりそれなりのもの。って気づく人が出てくるんじゃないかと。


今のままじゃ、知った一部の人だけしか自然食買わない。ってなんか寂しいんだよ。


そんなこと言うんだったらお前やれよ。ってことだと思うけど、

正直そんな気持ちがしている。


あー、これでまきのセレクトまで来たのか。


だいぶ長くなったから、自分で店をやりたい。と会社に言うことろは

次にしようか。


思い出しながら書いてるから、なんか大事なこと忘れているような気もするなぁ。

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